テレビを処分する前に知っておきたい基礎知識

テレビを処分するためには、家電リサイクル法の規定に従う必要があります。ブラウン管テレビ、液晶テレビ、プラズマテレビなど、画面サイズや種類に関係なく、すべてのテレビが法律の対象となっているため、必ず正規の処分方法を選ぶことが大切です。

処分にかかる費用は、家電リサイクル料金と収集運搬料金の2種類があり、テレビのサイズや処分方法によって料金が変わってきます。家電リサイクル料金は製品によって決められた金額ですが、収集運搬料金は業者によって料金設定が異なりますので、複数の業者に見積もりを取ってみましょう。

家電リサイクル法の対象となるテレビの種類

家電リサイクル法の対象となるテレビは、一般家庭で使用されているすべての種類のテレビが含まれます。主にブラウン管テレビ、液晶テレビ、プラズマテレビ、有機ELテレビなどが対象となっています。

これらのテレビが対象となる理由は、テレビに含まれる有害物質の適切な処理と、資源の再利用を促進するためです。特にブラウン管テレビには鉛が含まれており、環境への影響を考慮して適切な処理が必要となっています。

具体的な対象機器は以下の通りです。

• ブラウン管式テレビ（アナログ・デジタル）
• 液晶テレビ（LED backlight方式を含む）
• プラズマテレビ
• 有機ELテレビ

パソコン用のディスプレイモニターは家電リサイクル法の対象外となります。これらは資源有効利用促進法に基づいて、パソコンメーカーが回収・リサイクルを行っているため、テレビとは異なる処分方法となっているのです。

また、画面サイズの大小に関係なく、すべてのテレビが対象となっています。携帯テレビやカーテレビなど、持ち運び可能な小型テレビであっても、家電リサイクル法に基づいた処分が必要です。

たとえ故障していても、テレビとしての形態があるものはすべて家電リサイクル法の対象です。そのため、不法投棄はもちろん、一般ゴミとして廃棄することもできません。

処分にかかる費用の相場

テレビの処分には、大きく分けて2種類の費用が必要となります。家電リサイクル料金と収集運搬料金を合わせた総額が、実際の処分費用となっていきます。

家電リサイクル料金は、メーカーや画面サイズによって金額が決められています。15型以下の小型テレビであれば2,200円程度、16型以上の一般的なサイズのテレビは2,970円程度が相場です。ブラウン管テレビの場合は、より高額な3,740円程度となることが一般的でしょう。

収集運搬料金は、地域や業者によって大きく異なります。一般的な相場は以下のようになっています。

実際の処分費用は、家電リサイクル料金と収集運搬料金を合計した金額となりますので、一般的な液晶テレビの場合、総額で4,000円から9,000円程度を見込んでおく必要があります。

処分費用を抑えたい場合は、自治体の回収サービスを利用したり、新しいテレビの購入時に合わせて処分したりするのがおすすめです。また、テレビが比較的新しい場合は、買取業者に査定を依頼することで、逆に収入を得られる可能性もあります。

ただし、無料回収をうたう業者には十分な注意が必要です。家電リサイクル料金は法律で定められた必須の費用のため、正規の手続きを経ない無料回収は違法である可能性が高いためです。

買取業者を利用した処分方法

テレビの処分費用を抑えたい方にとって、買取業者の利用は魅力的な選択肢の1つとなっています。状態の良いテレビであれば、むしろ収入を得られる可能性もあるでしょう。

買取業者を利用するメリットは、家電リサイクル料金や収集運搬料金が不要になる点です。場合によっては、買取金額から諸費用を差し引いても、プラスになることもあります。特に、製造から数年以内の比較的新しい製品や、人気メーカーの高級モデルは、高値で取引される傾向にあるでしょう。

ただし、すべてのテレビが買取の対象となるわけではありません。買取業者では以下のような条件を確認します。

• 製造から5年以内の製品であること
• 正常に動作すること
• 画面に傷や焼き付きがないこと
• リモコンや付属品が揃っていること

買取の可否や金額は、テレビの状態によって大きく変わってきます。まずは複数の買取業者に査定を依頼することをおすすめします。その際、出張査定を行っている業者を選ぶと、テレビを運び出す手間も省けて便利です。

買取業者を選ぶ際は、古物商許可証を持っているかどうかの確認が重要です。また、査定時に突然の値引きや追加料金を請求する業者には要注意。事前に買取条件や出張料金の有無をしっかりと確認しておきましょう。

最終的に買取不可と判断された場合は、家電リサイクル法に基づく正規の処分方法を取る必要があります。買取業者に相談する際は、その後の処分方法も含めて検討しておくと安心できます。

まとめ

テレビの処分方法について、主なポイントをご説明してきました。適切な処分には、家電リサイクル法の理解が欠かせません。

処分方法は大きく分けて3つあります。家電量販店での引き取り、自治体による回収、指定引取場所への持ち込みです。それぞれの方法にメリット・デメリットがありますので、ご自身の状況に合わせて選択してみてください。